記憶の共有は縁の結び目

ライター角田奈穂子の「雑な生活」ほぼ日記

コロナ感染予防は貯金ができない<4>

10月29日(土)23:59をもって療養期間が無事に終了しました。感染したのがいつか不明なのに、終了期間はデジタルに刻まれてるところが妙な感じですが、そういうことらしいです。

熱が下がってからは咳も処方薬がよく効いたようで、ほとんど出なかったのは助かりました。38℃以上の熱が出ると、毎回、その後、1週間は咳で苦しむのが毎度のことだったので。

お見舞いもあちこちからいただいたりして、周囲の方たちのサポートが身に染みた1週間でもありました。通常の生活に戻ったところで、あれこれ感じたことを書いておきたいと思います。

1)東京都のサポートが予想以上に手厚かった

第8波の入り口ウロウロの時期だったこともあり、東京都(厚労省含む)の「東京都陽性者登録センター」のサポートはきちんと機能していました。「東京都陽性者登録センター」に登録後、毎日、午前9時にショートメッセージで「このURLにアクセスして体温や酸素飽和度、体調を記入してね」という連絡がきます。

最初は「こんなのでチェックしてもらえるのかなぁ」と思ったのですが、期間中、4回、直電がありました。2回は看護師さんからの体調確認。終了期間の当日の電話では、「24時間以内に発熱による消炎鎮痛剤等の服用がなければ、23:59を持って終了になります。その後も注意して暮らしてください」という内容の指示を受けました。

1回は登録センターの登録がうまくいかず、問い合わせしたときでした。専用サイトに登録したあと、SMSでID番号が送られてくる仕組みなのですが、送られてこなかったのです。その後、メールで届きましたが、SMSでの連絡がうまくいかなかったことへの謝罪電話でした。ていねいでありがたいけど、電話する人も大変だなぁと思いましたし、発熱のピークだったので、ぶっきらぼうに対応してスミマセンの気持ちです。

ちなみに「東京都陽性者登録センター」に登録したので、初診料はかかりましたが、その後の医療費は無料でした。

2)宅配される食料品はそれなりによく考えられていた

「東京都陽性者登録センター」に登録したあと、食料品の宅配サービスとパルスオキシメーターの配達を依頼しました。届いたのは、登録日から3日後の26日(水)。大きめのダンボール2箱がドンと届きました。

開けた瞬間は、こってり味のカップラーメンが目に入ったので「食べられない〜」と思ったのですが、全部、出してみると、それなりによく考えられた構成でした。ゼリーや栄養ドリンク、桃缶のような食欲がないときでも食べられるものから、症状が軽く通常食でOKの人向けの白飯やレトルトカレー、お菓子、コーヒーも入っていて、食欲に応じたグラデーションがついていたのです。(写真が中味です)

詰められている食料品は、メーカー名でいうとドラッグストアで見かける会社が多く、価格や寄付やらとの兼ね合いかな、と想像がつくところも、取り寄せて面白かったところです。メーカー名も覚えるし、普段は買わない商品も入っているので、新しいファンを獲得したり、企業のイメージアップにもつながるよなぁ、と思いました。

そんな数多くの食料品を、できる範囲ではあるけれど、栄養バランスや食欲も考えながら、詰めてくれた人たちに感謝の気持ちでいっぱいです。

3)発熱外来は受診したほうがいい

発熱したばかりの頃、それまで風邪をひくと行っていたかかりつけの病院は発熱外来をやっていないし、熱が下がればなんとかなるのかなぁと思い、受診を迷っていたのですが、行ってよかったです。

私は先に東京都から抗原検査キットを取り寄せて、陽性を確認してから発熱外来に行ったのですが、熱が出た時点で受診し、その場で抗原検査をすることもできたようです。うちの先生の場合は、その場で「東京都陽性者登録センター」の仕組みを説明して、登録することもできるようになっていました。(私は全部、済ませちゃってたのですが)

私の場合は、たまたまかもしれませんが、いい先生に当たり、往診してもらえたことが、精神的にとても心強かったです。つらい症状に合わせて処方薬を考えてもらえましたし、早めに咳止めも処方してもらえました。

自宅近くのどこに発熱外来があるかどうかは、「東京都陽性者登録センター」のサイトからたどって探せます。私の場合は、それほど数が多くなかったので、場所の確認とともにGoogleマップでチェックし、口コミでよさげなところを予約して行きました。

4)情報収集のネット検索はつまづくと、たぶん面倒

私の場合、発熱したとき、「東京都」「発熱」などの検索キーワードで割とさくっと抗原検査キットを発送してくれる東京都のサイトや「東京都陽性者登録センター」のサイトにたどり着けたのですが、注意書きが多いのに情報が整理されてなくて、発熱した頭にはわかりにくいんですね。

抗原検査キットが届くと、同封されたチラシのQRコードから「東京都陽性者登録センター」サイトに行けるようにはなっているんですけど、そういうデジタル回路ができていないと、「これはなかなか面倒なのでは?」と思いました。ルートに乗れるかどうかが行政サービスを受けられるか否かの分岐点になる典型例です。

こういう実用系の情報加工に、どうして出版系の「編集力」と「エディトリアルデザイン」の技術と能力を使わないのかなぁとつねづね思います。広告代理店や印刷会社だけが絡んでいると、情報に大小をつけず、並列でずらっと並べたり、視線の誘導を考えてなかったりして、わかりにくいんですよね。

5)あって便利だったもの

療養中は、インフルエンザなど高熱が出たときと同じ対応で寝こんでました。そのなかであるといいかなと思ったものを書いておきます。

・アイスノンは複数必要

以前から発熱時に交換できるよう、アイスノンは2個持ちなのですが、1個しかない家もあると思うので、買い足しておくといいのではないでしょうか。おでこ用もあると、だいぶ楽です。

・タオルは10枚以上あったほうがいい

アイスノンを巻いたり、汗を拭いたり、とにかくタオルは使います。首に巻くと喉の保護にもなりますし。それも、浴用タオルのような薄手がおすすめだと思います。

・小さめのポリ袋をゴミ袋代わりにあちこちに置く

鼻水はそれほど出ませんでしたが、ゼリー状飲料をちゅるちゅる吸ったり、割とゴミが出ます。最近はスーパー袋ももらえないので、小さめのポリ袋パックを1箱買っておいて、枕元やら、あちこちにに置いてくと、ささっと捨てられるし、ゴミとしても捨てやすいので便利です。

・家でもマスクをする

家族への感染予防というだけでなく、発熱時は口呼吸になりやすいので、マスクをしていると楽です。そのマスクを捨てるのにも、ウイルスをまき散らさないようにポリ袋が手近にあったほうがいいと思います。

・湯たんぽもときにあるといい

発熱中、妙に足が冷えた感覚がして気持ちが悪かったので、湯たんぽも使いました。いろいろな湯たんぽが市販されてますし、今の時期だと無印良品なんかでも気軽にでも買えるので、1個あると便利だと思います。ふだんの冷え対策におすすめです。

・「安住紳一郎の日曜天国」を聞く

起き上がれないほどでもなかったのですが、寝ている間、ずっと聞いていたのが「安住紳一郎の日曜天国」のポッドキャストでした。安住さんの声とテンポ、こだわりがありながら、どうでもいいくだらない話(ほめてます)がぼうっとした頭にジャストフィットして心地よかったです。

6)猫の世話は通常通り

猫にもコロナ感染はあると聞いていたので、心配しましたが、結局、普段通りに本にゃんたちは家のなかをウロウロ。私が起きたときに、ごはんとトイレの世話をしていました。我が家の場合、カリカリは常時、置きっぱなし、ウェットだけ朝晩、あげるスタイルです。

以前、ケージを用意するべきか迷ったこともありますが、家中がマイハウスの猫たちなので、いきなりケージに閉じこめても騒ぐだけなので諦めました。

7)たぶんホテル療養は自宅より大変

家族との関係でホテル療養を選ぶ人もいると思うのですが、着替えや食品など、必要なものがあれこれあるので、症状が出たなかでのホテル療養はかなり大変じゃないかと思いました。

私の場合、とにかくしんどかったのが、熱より口内炎でした。もし、私だったらホテルで支給されるというお弁当は、食べられなかったと思います。今、ホテルへの個人での宅配依頼が可能になったのかどうか、わかりませんが、宿泊施設は非日常空間なので快適性はかなり落ちるのではないかと思いました。

8)軽症でもインフルエンザ並み症状だった

じつは4回目のコロナワクチン接種を10月31日に予約していました。もちろんキャンセル。3回目が3月だったので免疫もヨワヨワになっていたんだろうなぁと思ったりしています。ワクチン接種していなかったら、もっと重症化していたかもしれず、あるいはワクチン接種の効果はなかったのかも?と判断はつきかねますが、ものすごく軽症の範囲内の私でもインフルエンザの重いとき並みの症状だったので、ワクチンは受けておいていいんじゃないかと思いました。

感覚的にはこんな感じです↓

まずは後遺症もなさそうな状態で回復してほっとしました。

これからマスクなし生活に移行するのか、どれくらい感染対策が緩められるのかわかりませんが、やっぱりしばらくは今まで通りの感染対策は続けたいと思います。ふだんはマスクと手洗いしかやれることないですしねぇ。