10月23日(日)
夜中に38.2℃まで上がったものの、すぐに37℃台に落ち、36℃台になることもあったので、コロナではなさそうだし、このまま熱が下がればいいなぁ、と起床。
風邪薬(いつもベンザブロックL)、ロキソニンを組み合わせ(というより、1日の服用量を守りつつ、適当に時間を開けて)、服用しつつ、ひたすら寝て過ごす。この日の昼間は、出張先で買ってきた旭川ラーメンを作って食べるくらいの元気があった。私の場合、新型コロナの熱の上がり方は、普通の風邪やインフルエンザとは違う感覚があった。38℃台になっても、体がそれほどだるくなったり、重くならなかった。新型コロナのワクチンを打ったあとの副反応に似ていたかも?という気も。
ただ、新型コロナの重症化を見極める症状の一つとして、倦怠感やだるさがあるので、それがほとんどなかったのは、やっぱりワクチンを打っていたおかげだったのかもしれない。
夕方に友人が食料を持って応援にきてくれた。受け取りの時だけ、一瞬、顔を合わせて、すぐにドアを閉める。この時、持ってきてくれた、ヨーグルトドリンクが翌日から本当にありがたかった。
夜は37〜36℃で推移。食欲もあるけれど、汗がダーーッと出てこないので、熱もスパッと下がらない。足の先が寒かったり、「こりゃまだ熱は続くなぁ」という体調で、翌日へ。鼻水や咳はまったくなし。
10月24日(月)
ドヨーンと起床。この日の体温は午前中は37℃台で推移。東京都から抗原検査キットが届いたので、鼻の奥に軽くグリグリして調べると、ドワーーー!ものの見事に赤いラインが2本、くっきりと浮かび上がった。妖精さんになっていた。(自転車ロードレースファンのスラングで、禁止薬物の陽性反応になった選手は、妖精さんと呼ばれる)ついに感染したか、と軽くショックを受ける。
アレかアレだな、と思い当たることはあるのだけど、それだけでなく、最近、自分のガードが甘くなっていたことが原因かなぁと思っている。アレというのは、飲食を伴う大人数との接触の機会があったこと。そのうちの1回は、お子さまがたくさんいる環境だった。ただ、自分に余裕がある状態だったら、もっとしっかりガードできたと思う。私は外出先でも家の中でも、手洗いの時は必ず石鹸を使い、1日にマスクを数枚、替えるくらいだったので、それなりに気をつけていたほうだと思う。が、アレのの時は、時間に追われていたこともあって、こまめな手洗いが億劫になっていたりした。出張があったことで仕事が立て込み、寝不足ぎみだったこと、東京の寒暖差が大きく、昼に大汗をかいたりしたことも影響したのではないかと思っている。
とはいえ、「えー?これくらいで?」と思うような状況での感染だった。ほんの少し弱った部分をピンポイントで狙われたという感じ。それにしても、コロナのロシアンルーレットで納得できないのは、私以外、同じ場にいた誰も発症していないことだ。なんか悔しい。「もしかすると、違うルートからの感染なのかなぁ?でもなぁ」と、謎は解けそうにない。いずれにせよ、十分に注意していても、感染しちゃうのだ、新型コロナは。
コロナ陽性の判明後、さてどうするか、と、まずは抗原検査キットに同封されていた紙に、陽性になった場合の対応が書いてあったので、「東京都陽性者登録センター」にアクセスして、登録した。ここに登録すると、以下の3つのサービスが受けられるとのこと。
・「My HER-SYS(マイハーシス)」による健康観察
使い始めるまでよく意味がわからなかったのだけど、専用サイトを使って陽性者の健康監視をするという仕組みだった。毎日9時頃にメッセージ(SMS)が届き、「サイトにアクセスして体調を入力してね」と指示されるので、体温や酸素飽和度、体調を自分で記入していく。保健所はこれをもとに陽性者の体調を監視している(らしい)。
ちなみに、療養期間中、2回、電話がきた。1回はオペレーターみたいな男性からで、病状確認と健康観察についての説明のため。もう1回は看護師さんからで、体調の入力がなかったので電話してくれたとのことだった。私が爆睡してメッセージに気づかなかっただけなのだが、重症化リスクが低いとされる陽性者にも医療的なケア体制があると知ったことは、ちょっとした安心感にはつながったと思う。
これは余談だが、うまく登録センターに登録できて、「MY HER-SYS」の使い方も飲み込めれば利用価値はあるけど、ネットサービスやスマホ、PCを使い慣れていない人はちょっとハードルが高いかもなぁ、という気も。電話など他の連絡手段も用意はされているけれど、陽性になったら何をすればいいのか、どういうサービスが受けられるのかが、チラシやホームページから読み解く必要がある。最初に全体像が把握できる見取り図や、チャート図があれば、もっとわかりやすいのになぁと思う。こういう情報の交通整理が、「編集」と「エディトリアルデザイン」の仕事だと思うんだけど、そういうところに日本のお役所ってお金をかけないよね、ほんとに。なんで、こういうところに出版系の知識や技術が生きないのかな?っていつも思う。広告系の発想とはまた違うんだよなぁ。
・食料品やパルスオキシメーターの配送
登録センターへの登録と同時に申し込む。とくに医療用の信頼度が高いパルスオキシメーターが欲しかった。
・都の宿泊療法施設(ホテル)等での療養
私は自宅療養だったので関係ないけど、実際に感染してみると、自宅療養の方がいいと思った。家族がいる人はホテル療養もアリだとは思うが、症状が出てるときは、おそらくキツいと思う。とくに熱が出ている間は、体調が時事刻々と変わるので、欲しいものも変わってくる。清潔なタオルや氷枕、着替えなどがすぐに手に入らないホテルは、しんどいだろうなぁと想像がついたし、食事も気になる。口内炎になると、普通の食事は難しいと思う。
登録を終えたところで、発熱外来に行くかどうか考えてみた。熱は下がってきたし、このまま治るんじゃないか?と楽観的に考えつつ、熱がなかなか体から出ていってくれそうもないのが気になった。歩いて行ける範囲の発熱外来を探してみたら、2カ所しかない。そのうちの1カ所の評判がよかったので、電話してみると、診療時間後に時間を作って診てくれるとのこと。ヨタヨタと道歩く周囲の人に気を使いながら、病院まで行った。(といっても、ほとんど人とすれ違わなかったけど)
発熱外来は行って正解だった。先生がとても親身になってくれる方で、LINEで24時間、いつでも体調を報告してほしいとのこと。必要に応じて往診もしてくれるとの話に、心の負担は軽くなった。何よりも心配だったのが、これからどんどん悪化することだったからだ。
発熱外来に行ったことで知ったこともあった。私は自分で抗原検査キットを申し込んで調べたけど、発熱外来で初めて調べてもよかったらしい。その場合も、陽性者は「東京都陽性者登録センター」に登録する。で、登録者になると初診料は払うけど、その後の医療費は国と東京都が負担してくれることになっていた。医療費のことなんか、すっかり忘れていたので、「ああ、それは助かるわ」とぼーっと聞いていた。
この日の診療では、口内炎用のトローチ、高熱対策のカロナール、それに炎症を抑える薬を処方してもらって帰宅。この頃から口内炎が悪化。だんだん普通のご飯を咀嚼したり、飲み込むのがしんどくなってきたので、おかゆに変更。
夜が更けるにつれて軽く寒気を感じ、熱も上がってくる。足が冷えている感覚もあるので、湯たんぽを入れたら、寒気は消えたけれど、熱は38.4℃に。結局、一晩中、38℃台から下がらなかった、この夜が一番、しんどかった。