お役所の文書作成になぜExcelが使われるのか、という話が流れてきて、思い出したこと。デジタル老人会のワープロソフト話です。
Wordでもいい文書がExcelで作られているのは、今でも普通に中小企業でよく見ます。「そういうExcelの使い方から「神Excel」って言われているんだー」と、知ってなるほどなんですが、Excelの前には「桐」という日本の管理工学研究所が作った名ソフトがあったのですよ。
同社のワープロソフト「松」が滅びても、「桐」がバージョンアップされ続けたのは、官公庁のため、という神話があったなぁ、と思い出し。
さすがの「桐」もWindows95になって、ついに滅ぼされたはず、確か。
と、過去形で書いたら、まだ続いてましたね。すごい長寿ソフト!失礼しました!!
Windows95の登場で、日本のパソコン業界はじり貧になっていったんですな~。そうなるだろうなぁ、とは思ってけど、今、振り返ると、なおのこと、しみじみいたします。(まだPCシリーズでブイブイ言わせてた頃、就活生向けに取材して書いたNECの企業本、どっかに仕舞ってある気がするけど、処分しちゃったかな~)
私がMacに憧れててもWindowsに乗り換えられなかったのは、一重にワープロソフトと文字変換の問題があったから。MS-DOS時代から愛用していた「松」がWindows3.1時代に、ついにお亡くなりになってからは、泣く泣くwordに移行。MicrosoftのWindowsパソコン標準装備作戦にはまったんだと思う。一太郎は別売りだったから。(今でいえば、TVのリモコンにNetflixボタンがついているのと似た作戦ですね)
ですが、当時はMicrosoftも日本を重視してて、Windows98から2001のWordは、ストレスなく使えました。IMEの文字変換も育てればなんとかなったし、レイアウトも揃えやすかったし。
「textソフトで書けばいい」というアドバイスも多数いただきましたが、雑誌、それも女性誌やカルチャー誌の場合は、グラフィックデザインが複雑なので、1ページに縦組みと横組みの文章が混在し、おまけに、14字×20行、18字×16行とかいうレイアウトになってるから、textソフトだと字詰め対応ができないのですよ。
そんな私が、ついにWindowsからMacに乗り換えたのは、2014年。その頃は、Panasonicのレッツノートを使ってたんだけど、iMacでWordとATOKが使える!と知って乗り換えたんだと思う。移行期は、Boot Campが使える前だったから、パーテーションを分けてWindowsを走らせるソフト(名前忘れました)使ったりして四苦八苦してましたわ。
Mac版もOffice2018までは、ほぼWindows時代と同様に、ストレスなく使ってたんだけど、Office365でwordが大きく変わってしまって、もはや別モノ。
ルーラーと文字カウントの設定が変わってしまって、今、何行目の何字ってのが確認しにくくなってしまった。文字をベタ打ち(字詰めせずに、句読点も全角で打てる)とか、空白の全角設定が途中からできなくなったりとか。
印刷するのならあったほうがいい機能が、Webやパソコンの画面上で見るならいらんでしょ、ってことで、省かれちゃったんす。私は思いましたよ、ああ、Wordも自分の国(英語圏)に戻っていったんだなぁって。
「使いにくい。しくしく」と思っていたときに、救世主として現れたのが、egword Universal2。「やっと日本語の原稿がストレスなく打てるーーー」ってことで、今に至っております。互換の問題で、egwordで打った原稿を、いちいちWordファイルに変換して、一度、Wordで開いて、見た目を整えてからメール送信しているので、ひと手間かかるんですけどね。
egwordのiPad版が出るのを、心より願っております。物書堂さんは、「出しません」とホームページで断言しているので、出ないのは知ってるんですけど。